スペックゼロ。何もしない、できない自分という存在を、一時的に貸し出すサービスを提供している。その名も「レンタルなんもしない人」(36、本名・森本祥司)。たとえば1人で入りにくい店の同行や離婚届提出の付き添い、マンガ執筆の見守り。何も考えず、ただそこにいる。独自過ぎる活動は注目を集め、TVドラマ化された(現在、新型コロナウイルスの影響で放送延期中)。原点を探ると、友人や先生らからかけられてきた、ある言葉があった。
拡大する依頼は千差万別で飽きない。「依頼者が考えてくれた楽しい散歩コースに、付き合っている感じ」=東京都国分寺市、外山俊樹撮影
依頼を募集しているツイッターには「ごくかんたんなうけこたえ以外、なんもできかねます」と、記す。相づちを打ったり、ちょっとした感想を述べたりはするが、アドバイスはしない。そんな自分に依頼者は悩みや秘密を打ち明ける。「過去に人を殺して、少年院にいたんですよね……」と告白した人もいた。「関係性が薄い相手だからこそ、話せる大事なこともあるんだ」と知った。
上司から「おまえはいてもいなくても一緒だな」
子どものころから、集団行動が…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル